時代を超えて、あなたの「唯一無二」を育むピアノ指導

 

昭和、平成、そして令和と、46年間にわたり「今の時代に求められるピアノ指導法」を追求してまいりました。三つの時代を通して生徒たちの演奏に耳を傾ける中で、ある共通の真実と、現代ならではの課題が見えてきました。共通しているのは「練習すれば必ず上達する」という揺るぎない事実。しかし、昔の生徒たちの演奏には心を揺さぶられるような「ときめき」があったのに対し、現代の生徒たちの演奏からはそれが感じられない。なぜなら、多くの場合、皆同じように聴こえてしまうからです。まるでファッションのように、型にはまったスタイルに個性が埋もれてしまっているかのように。

現代では、有名な曲をYouTubeで簡単に視聴し、耳で聴き、目で見て覚えることで、ある程度は弾けるようになります。格好良く弾きたいという一心で、おしゃれな演奏や演奏者のスタイルを真似ることで、自分も上達したかのような錯覚に陥ることもあるようです。新曲の宿題を出した際、以前は一生懸命練習してもなかなか形にならなかったものが、今は理解の早い生徒なら次のレッスンには最後まで弾きこなしてくる、そんな状況も珍しくありません。

一見すると、後者の方が「できる生徒」と評価されるかもしれません。しかし、ある時、状況は逆転します。それは、自分で考え抜き、工夫しながら曲を仕上げていないため、人の心を動かす演奏ができないからです。そうして仕上げた曲は、合格して数ヶ月もすれば弾けなくなってしまう。しかし、深く思考し、工夫を凝らして曲を仕上げた生徒たちは、数ヶ月、数年経っても、その曲を諳んじて弾きこなすことができます。そして、年月を重ねるごとにその演奏はさらに磨きがかかり、その生徒だけの唯一無二の作品として昇華されていくのです。